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原付とはどんなメリットとデメリットがあるバイクでしょうか
このサイトでは、長いことバイクから離れていた『リターンライダー』向けに有益な情報を提示していますが、それは一般のバイクファンにも役立つはずです。

正式には「原動機付き自転車」と言います。
排気量が50cc以下の第一種原付と125cc未満の第二種原付に別れますが、ここでは、普通に原付バイクと呼ばれている、第一種原付について書きます。
第二種原付については、別の記事で解説します。
原動機付自転車の原型とも言えるのが1947年(昭和22年)のこの動画です。



初めてHondaの名がついた2サイクル50ccのエンジン搭載だそうです。
自転車に原動機(エンジン)をつけた形状をしており、「原動機付き自転車」の名前が図柄からも明らかですね。

原付といえばミニスクーターのイメージ

時代が過ぎて、スーパーカブが一世を風靡(ふうび)したあと、原付の代名詞になったのがミニスクーターです。
サドルを跨がなくても良いので、スカートでも気軽の乗れることがウケて、女性を中心に爆発的に広がりました。

どんどん改良が進んでシートの下が大きな物入れになり、大きな荷物は足の間には挟むことによって、買い物の足としても活躍しました。

エンジン排気量は50cc以下

原付バイクの排気量を50ccと言っていますが、メーカーの表示を見ると例えば49ccとかで中途半端な数字になっています。
どうして50ccにしないのでしょうか。
原付バイクの排気量は50cc未満とのウワサもありますが、それはウソです。50cc未満ではありません。
道路交通法施行規則
(昭和三十五年十二月三日総理府令第六十号)で、次のように定めています。
(原動機付自転車の総排気量等の大きさ)
第一条の二  道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号。以下「法」という。)第二条第一項第十号 の内閣府令で定める大きさは、二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては、総排気量については〇・〇五〇リツトル、定格出力については〇・六〇キロワツトとし、その他のものにあつては、総排気量については〇・〇二〇リツトル、定格出力については〇・二五キロワツトとする。
すなわち、原付バイクの排気量は50ccだと書いてあるのです。
ではなぜ、50ccにしないのでしょうか。
スズキのアドレスV50を調べてみましょう。

カタログの排気量表示は49ccとなっています。
エンジンの内径と行程は、39.0mm×41.8mmです。
これから、内容積を計算すると49.93ccになり、限りなく50ccに近いのです。
このような場合、一般社会では50ccというのですが、50をこえると、例えば50.01ccでも違反になってしまうという業界特有の解釈があるからでしょうか。
ともかく、表示は49ccになっています。
原付バイクのメリット

税金が安い

原付バイクを所有していると軽自動車税がかかります。
しかし年間2,000円なので、それほど負担は大きくありません。
毎年5月に請求書じゃなくて納税通知書が葉書で届けられます。
期限内であれば、コンビニで支払うことが出来ます。
もちろん、郵便局や金融機関でもOK。
実は、原付バイクの軽自動車税は1,000円だったのですが、2016年(平成28年)から倍額の2,000にアップしたのです。
ちなみに、原付ニ種は排気量によって2,000円と2,400円
250cc未満の軽二輪は3,600円
2500cc以上の二輪自動車は、6,000円です。
ファミリーバイク特約が使える

乗用車の任意保険を契約している人限定になりますが、自動車保険のファミリーバイク特約(原付バイク特約)でカバーされます。
家族が運転する原付バイク(一種、二種)の事故に適用されます。
面白いことに、原付バイクを登録ナンバーなどで特定しないので、どの原付バイクでも良いのです。
具体的には、所有している原付バイクの台数に関係ないので、家族で数台所有している場合には特に有効です。
さらに言えば、運転者が家族であれば借りたバイクで事故を起こしたときにも保険が適用されます。
ファミリーバイク特約の金額は1万円程度ですが、条件によっては(21歳以上で数年経過など)個別の任意保険のほうが易くなることもあるので、条件を確認してください。
燃費が良い

メーカーのカタログ値の燃費を見ると、ウソみたいな数字が並んできます。
例えばホンダ・タクトの30km/h低地燃費値は80km/Lです。
ビジネスバイクのリトルカブでは、オートマチックのスクーターよりも効率が良いらしく、なんと113km/Lだそうです。


ホンダwebサイトより
でも、さすがに実使用でこれだけの燃費は無理です。
使い方によりますが、6掛け程度に見ておきましょう。
それにしても、タクトで50km/Lなので、経済的な乗り物であることは間違いありません。
運転免許が取りやすい

16歳以上であれば、転免許試験場で適性試験と学科試験を受けて合格し、その後に技能講習を受講すれば、その日に免許証を取得することができます。
自動車教習所に通う必要がありません。
普通免許が18歳からですから、2年も早く運転できるわけです。
また、小型特殊免許以外の運転免許(例えば普通免許)を取得すると自動的に、原付バイクの運転が許されます。
原付バイクのデメリット

最高速度は時速30kmまで

免許制度の手軽さもあって人気の商品になった50cc原付バイクですが、バイク好きの立場では我慢できないような欠点が幾つかあります。
最大の問題は、最高速度が時速30kmに制限されていることです。
実際には30kmよりも速く走れますが、時速60kmでリミッターが作動するので実質的には時速60kmが上限になっています。
裏道や生活道路であれば実用上問題ありませんが、幹線道路を走ろうとすると極めて危険なのです。
大型車と並走するような場合に、明らかに車速が違う原付バイクがノロノロ走っていると、流れを乱すことになり危険です。
だから、幹線道路を走ってはいけないんだ、というくらいの気持ちで乗らなければなりません。
法律的な正当性などではなく、自らの命を守るための手段として考えておくべきことです。
面倒な2段階右折

幹線道路を走らないことにしてしまえば関係ないことになりますが、2段階右折は面倒ですね。
20160322g
大きな交差点には上のような標識があり、2段階右折をしないと捕まってしまいます。
でも、下の標識があれば、2段階右折をしてはイケないのです。
20160322h
紛らわしいですよね。

二人乗りが出来ない

原付バイクでは、二人乗りは出来ません。
そもそも、リアシートが付いていないので、乗ること自体に無理があります。
自転車では、幼児専用の設備を付ければ二人乗りが認められていますが、原付バイクではいかなる場合でも二人乗りは禁止です。
もし、原付二人乗りで捕まると、反則金が5,000円が課せられられと違反点数1点がつけられます。
これも規則だから仕方がないんだけど、ちょっとそこまでと言う時に二人乗りが出来ないのが不便です。
こんな小さなバイクで、タンデムツーリングなどはもちろん無理なのだけれど、ちょっと近くまで送って行きたいようなときってあるじゃないですか。
でも、原付なら仕方ありませんね。
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